ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約
おどろいて目をぱちくりさせる私に、御影くんは「うん」と返事をする。


「だって、食事するたびに眷属増えまくったら、人間が絶滅しちゃうじゃん」


たしかに、人間の血がなくなったら、困るのはヴァンパイア側だもんなぁ……。


「だから、眷属云々(うんぬん)に関してはあまり気にしなくていいよ」

「う、うん。わかった……」

「どうしたの? まだ何か不安?」


御影くんが、まじまじと私の顔を見つめてくる。


うぅ、距離が近すぎるっ……。


心臓に悪すぎるよ。


でも、言いたいことがあるんだから、勇気を出して本人に伝えなきゃ。


「お願いがあるんだけど……私が人間ってことは、この学校のみんなに秘密にして欲しいの」


思い切って伝えた私に、御影くんは「眷属になりたくないから?」と首を傾げる。


「それもあるけど。私……、ずっと周りにヴァンパイアとして話合わせてて。でも、それが嘘だってバレたら、学校に居辛くなってしまいそうな気がして……。親は転勤族で転校も難しいだろうから、絶対にこの学校で3年間過ごしたいの。……だから、お願い! この通り!」

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