ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約
ところが、「いや、全然」と御影くんは手を横に振った。
「えっ? 何で?」
「うーん……夢壊すようで悪いけど、飛ぶのってそんなにいいものじゃないよ。高く飛ぶほど寒くて凍えるし、風が強いとコントロールが難しくなるし。俺なんか、インドア派だから、限界まで腹減らない限り飛ばないし」
ああ……。だからさっき、棺桶の中でぐったりしてたのね。
「ていうか別に飛ばなくても、俺には桧山さんがいるし。血は甘くて俺好みの味で、全然飽きがこないし。もうそれで十分だと思ってる」
「そ、そうなんだ……」
「ってことで、契約成立でいい?」
「えっ」
「秘密、バラされたくなかったら俺と契約して」
「は、はい……」
こうして、イケメンヴァンパイアの御影くんにおどされて……じゃなくて、血をあげることで秘密を守ってもらうことになった私。
さて、これからどうなっちゃうんだろう……?