ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約
しばらくして。


「そろそろ教室に戻ろっか」と、御影くんに言われて、2人で廊下を歩いていたちょうどその時のこと。


「あーっ!」

「うわっ⁉ 何⁉」


いきなり聞こえた大声に、私は反射的に飛び上がってしまった。


「桧山さん、ビビりすぎ……」


と、隣にいる御影くんにたしなめられる。


「だって、急にあっちから聞こえた……って、あれ?」


大声が聞こえた方向。


つまり、私達がいる廊下の向こう側にいたのは、ふわふわの栗色の髪が印象的な、小柄でかわいい女の子だった。


さっき、「あ―っ!」って叫んだのはこの子だったのか。


って、よく見たらすっごくかわいい……。


この子もヴァンパイアなんだろうけど、『お姫様』って呼ばれた方がしっくりくる美少女って感じがする!


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