ヴァンパイア王子と秘密の甘い独占契約
「ねえ。あんたさ、曜にどんな色目使ったの?」


昼間の姫咲さんのかわいらしい声とは思えない、怒気をはらんだ低い声。


「色目とは……? 私、そんな覚えないけれど……」

「とぼけないでよ! 昼休みに王子と一緒にいたくせに‼ どーせ媚び売ってたんでしょ⁉」


感情に任せて爆発した姫咲さん。


彼女の怒鳴り声に、私の背筋がビクッとする。


やっぱり、最初から私がいたのは知ってたんだ……。


急に私にぶつかってきたり、話しかけてもスルーしてたのはわざとで、完全に嫌がらせだったんだね……。


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