僕等と君

俺がひよと会ったのは、高校に入ってきてから。



大阪から東京まで来た俺に、真っ先に声を掛けてきたのがあいつだった。





『あたし、久遠ひより。唐突で何だけど、仁くん、バスケやらない？』





そう言って笑うあいつの笑顔は、太陽みたいに、眩しかったのを覚えてる。





『人数少ないけど、個性強い部なんだ。友達、すぐ出来るよ』



『ほら、あそこで無駄に気取って本読んでるつり目もバスケ部なんだ』



『あと、うざったい犬…まぁ、どっちかっつーと鼠が２匹。他のクラスだけどね』





部員の嫌味しか言わないくせに、誰よりも部員が大好きで




どれだけ悪いとこだけを言っても、表情は、とても楽しそうだった。



だからや…



バスケ部に入ったんは。



こいつの笑顔がもっと見とうて、入ったんや。