怖がりな神谷くんの告白!
 静かにそっと、懐中電灯をつけずに外に出てみた。

「あれ? いない。どこいったんだろ。外には出ていないのかな?」

 月明かりで外はほのかに明るい。
 懐中電灯使わなくていいかな?

 ちょっと建物一周してみよう。

 爽やかな風が流れてくる。真っ暗だった建物の中よりも怖さを感じなくて、不思議な感じがした。

 けれど何かがいるかもしれないから足音をたてないようにして、警戒しながら歩く。

 ゆっくり一周しても彼はいなかった。
 中に入ろうか迷っている時だった。

「神谷、くん?」

 目の前に神谷くんが。

「戻ったらいなくなってたし。じっとしててって言ったじゃん」
「だって、神谷くんが心配で……」
「いや、俺は大丈夫だから。華恋に何かあったら嫌だから……だからひとりで行動したのに……」

 神谷くんはだまった。
 彼はむすっとした顔をしていた。

「華恋、とりあえず、戻ろ?」
「う、うん」

 再びさっきの場所に隠れた。
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