怖がりな神谷くんの告白!
 お昼ご飯は、おにぎりと卵焼きとウインナー、野菜炒めを作ってパックに詰め込んで持ってきていた。レジャーシートに座ってそれをみんなで食べる。隣に座ったのはひまりちゃん。

 ひまりちゃんがこっそり私に耳打ちした。
「あのね、昨日の肝試しかくれんぼの時、本当は私が『4』だったんだけど、神谷くんが華恋ちゃんと同じチームがいいってこっそり言ってきて、神谷くんの『3』と交換したんだよ」って。

 私と同じチームがいいって神谷くんが?
 なんでそう言ったの?

 その話を聞いてから、午後からの撮影は本当に集中出来なかった。ずっとそのことについても考えていて――。

 薄暗くなってきた頃、花火をやることになった。花火も撮りたくて左手に花火、右手にカメラを持ってしゃがみながら撮ろうとした。

 どうやって撮ろうかな?

「俺花火持つか?」
「いいの? じゃあお願い」

 神谷くんが花火を持ってくれて、私は花火のアップを撮った。

「上手く撮れた! ありがとう」

「じゃあ次は華恋が花火持って?」
「うん、分かった」

 今度は神谷くんが写真を撮る。
 彼は後ろに下がった。

「もしかして、全身も撮るの?」
「うん」
「ほんとに? どうしよ。私髪の毛ぼさぼさじゃない?」
「いや、大丈夫。綺麗でいい感じ」

 綺麗と言われて少し照れた。

「いいの撮れた。華恋、ありがと」
「あとで見せてね」

 花火の写真もいい感じに撮れたし。

 あ、今、神谷くんと話すチャンスかも。
 きちんと話をしてみようかな?

「神谷くん、ちょっとこっちに来て?」

 みんなから少し離れてしゃがむと、彼も一緒にしゃがんでくれた。

 辺りを見回して、近くに誰もいないことを確認すると、なんだかドキドキしてきたから深呼吸した。

 そして彼に小声で話しかけた。

「ねぇ、昨日の、私の話、神谷くん聞こえちゃったって話だけど……」

 

 
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