怖がりな神谷くんの告白!
「先生、ここ幽霊出そうじゃないですか?」

 はっきりそう言ったのは、1年生の優里ちゃん。

「あぁ、なんか叔父さん、そんな話してた気がする。けれど私、霊感とか全くないから、何も感じないし見えないなぁ」

「出る…のか……」

 神谷くんがぼそりとうつむきながら呟いた。

 
 玄関に入り、右側にあるフロントカウンターの横にある階段を上がった。そして眠る場所となる客室に荷物を置くことにした。

 ちなみに部員は男子3人、女子5人。部屋は男子と女子分かれて隣同士に。そして先生は女子部屋の隣。

 それぞれ自分の部屋に荷物を置き、カメラを持って、みんなで中を探検することにした。


 カメラの設定をしてから再び1階へ。

 玄関から真っ直ぐのところに、食堂がある。

 玄関から少し歩くと左側にトイレがあり、過ぎたところを曲がるとお風呂があった。

「お風呂、中見たいね」
「ねっ!」

 先生よりも先に女の子たちがお風呂の方へ。

「わぁ、お風呂の入口ふたつある」
「まぁ、元旅館だからね! お湯、両方に入れとくから男女分かれて、ゆっくり入って?」

 扉を開けると広い脱衣所があって、奥に進むと浴室がある。多分うちの浴室の、軽く4倍以上はありそうなくらいの大きさ。浴槽含め、全体が木の模様。落ちつく雰囲気が漂っていた。

 こういうところに普段泊まることがないからとてもワクワクしてきた。

 私たちは写真を撮りながら探検を続けた。
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