つぼみの初恋。
都合の悪いことからは目を逸らそう。きっと気のせいだ。

そう自分に言い聞かせて会話に戻った。




「いやそれ絶対なんかあるやつ。気の所為じゃないから」
「やっぱそうだよね・・・」

この一連の流れをクラスが離れた友達の彩(あや)に報告するとそう断言された。

因みにあれから私は花梨と一緒に行動している。花梨も私と同じで1年の頃の友達とクラスが離れてしまったので、そうなるのは自然な流れだった。今はお互いを呼び捨てするぐらいに仲良し。

「さっさと告らなくていいの?こういうのってスピードとタイミングが大事だよ」
「彼氏出来たことないのによく言うよ」
「つぼみもね」

ぐうの音も出ない。
でも私の場合はしょうがないと思う。だってずっと宏光が好きなんだし。
まぁ気持ち伝えずにずっとうだうだしている私も悪いんだけどさ。

「おいそれマジ?」
「マジ!さっき蜂屋が1組の女子に告られてたの見たんだって!」

(えっ?)

偶然聞こえたクラスメイトの言葉に釘付けになった。

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