つぼみの初恋。
「? あるよ」
「じゃあ屋上まで来てくれない?」
「分かったけどいきなりどーした?」
「言わなーい」

これ以上ここにいては緊張しているのがバレる。

そう判断した私はさっきと退散した。

というか宏光、だいたい察して欲しい。
放課後屋上に呼び出す女子に対し「どーした?」はないでしょ。

(そういう鈍感なとこも好きなんだけど)

これだから恋は厄介だ。




その次の日、私の胃は荒れていた。
絶対ストレスが原因だ。

あの後なんで急に宏光を呼び出したのかと自問自答をして今日を迎えた。

言い訳をするならあの時の私は焦っていた。もしかしたら花梨に先越されるんじゃないかって。

そもそも宏光は好きな人以外断る派だから、私がOKされる確率は限りなくゼロに近い。

でも言いたい。自分の口で宏光に好きだと言わなきゃいけないと思った。

そうしなければ、私の宏光への想いが行き場をなくしてしまうから。

放課後、彩にエールをもらってから屋上に向かっている途中、男子生徒の話し声が聞こえた。

< 7 / 11 >

この作品をシェア

pagetop