つぼみの初恋。
「大体察してると思うけど、言うね」

そう言って宏光をじっと見つめると、宏光も私を真っ直ぐ見てくれた。たったそれだけで私が満たされていることに気づいて欲しい。

すぅっと息を吸って、ゆっくりと紡ぐ。

「私、宏光のことが好き。ずっと好きなの」

私の今までの人生で1番気持ちのこもった言葉だ。

なんて伝えようか丸一日悩んだけれど、結局私にはこれしかなかった。

「・・・ごめん。俺、他に好きな人がいるから」

宏光の答えは心にずしりとのしかかった。

それ以上にやっぱりかという気持ちが強くて、頭は冷静だった。

「やっぱり好きな人って花梨?」
「え?は?え、何で。まだ誰にも言ってないのに」
「いや分かるよ」

(ちゃんと見てたからね)

一番最初に気づいた自信がある。

宏光が花梨を見つめる目には、明らかに熱が籠っていた。今だって私に告白されたときよりも顔が赤くなっている。

宏光はそのまま俯いた。ただの照れ隠しじゃなくって、私への罪悪感の現れだと思う。

「気持ち応えられなくて、ほんと、ごめん」
「いいよ、なんとなく予想してたし気にしないで。私が言いたかったってだけだから」

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