お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「マ、マママ、マリカ様っ! 反省しました! 心から反省いたしました――!」
頭の奥の方から「殺ってしまえ」とそそのかす声が聞こえてくる。
暗部の一員としてオリヴィアに仕えるとなった時、覚悟した。オリヴィアのためならば、何人だって殺してみせる。
必要とあらば、この身体を盾にしても守り抜いて見せる――と。
その忠誠心を、今、ここで発揮しても誰も文句は言えないはず。
いつも隠し持っているナイフに手が伸びた時、横からそっとその手を押さえられた。
「姉さん、だめ」
「だけど、こいつは」
「まだ使えるから。使えなくなるまで我慢して。オリヴィア様は、侍女長もそう言って許したでしょう?」
人を人とも思わないあんまりな発言であるが、義妹にしてもマリカにしても、オリヴィアに誓う忠誠は絶対だ。
「まだ使える?」
「ここでうかつに殺してしまって、商会長を敵に回すのも得策じゃないでしょ。私が、使えるようにする」
エリサを見て、ダミオンはぱっと顔を明るくした。エリサが救いの女神に思えたのだろう。
頭の奥の方から「殺ってしまえ」とそそのかす声が聞こえてくる。
暗部の一員としてオリヴィアに仕えるとなった時、覚悟した。オリヴィアのためならば、何人だって殺してみせる。
必要とあらば、この身体を盾にしても守り抜いて見せる――と。
その忠誠心を、今、ここで発揮しても誰も文句は言えないはず。
いつも隠し持っているナイフに手が伸びた時、横からそっとその手を押さえられた。
「姉さん、だめ」
「だけど、こいつは」
「まだ使えるから。使えなくなるまで我慢して。オリヴィア様は、侍女長もそう言って許したでしょう?」
人を人とも思わないあんまりな発言であるが、義妹にしてもマリカにしても、オリヴィアに誓う忠誠は絶対だ。
「まだ使える?」
「ここでうかつに殺してしまって、商会長を敵に回すのも得策じゃないでしょ。私が、使えるようにする」
エリサを見て、ダミオンはぱっと顔を明るくした。エリサが救いの女神に思えたのだろう。