お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
第四章 反撃の準備を初めてもいいかしら?
オリヴィアが王妃となって、三ヶ月が過ぎた。

 あれ以来、ルークは一度も王宮を訪れていない。彼との再会に心を揺さぶられたけれど、その方がいいのだ。

 ダミオンは大丈夫かと思っていたら、マリカとエリサのふたりにさんざん絞られたらしい。次に顔を合わせた時には、しゅんとして丁寧な謝罪の言葉をもらった。

「今日は、ようやく陛下にお目にかかれるのね」

 今まで何度かグレゴールと顔を合わせようとしたのが、毎回失敗に終わっている。

 剣術の訓練を遠くから眺めてみたり、「偶然」乗馬で行き会うようにしたり。

 その度に「剣術の訓練所には近づくな」「乗馬を禁止する」等、新しい命令が追加された。

 がっかりである。

 それはそれでともかくとして、外国からの賓客をもてなすのに、王妃が不在というわけにもいかないのだろう。それも、アードラム帝国の皇帝だ。

 グレゴールの結婚式に参加できなかったため、皇帝自ら祝いの品を持参してくれたのだそうだ。

(……恥ずかしくない服装を選ばねばならないのよね)

< 117 / 306 >

この作品をシェア

pagetop