お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
グレゴールの暮らす本館へと赴くと、彼は仏頂面でオリヴィアを出迎えた。
十五の少年と思うと多少可愛く思えるが、国王としてはいかがなものか。これでオリヴィアと同じ年かと思うとため息をつきたくなる。
「お待たせいたして申し訳ございません、陛下」
「まったくだ。お前は、本当にグズなのだな」
頭を下げてそれを聞いたオリヴィアは、顔を上げた時には、表情を完全に消していた。
指定された時間には、まだ十分以上ある。なのに、グズだなんてどういうつもりだ。背後にいる侍女姉妹の雰囲気が変わった。
後ろに手を回し、「控えておきなさい」と合図する。不満そうな気配は伝わってきたけれど、ここで暴れてもどうしようもない。
オリヴィアの耳に、「くすくす」と笑う女性の声が届いた。視線を巡らせれば、二十代前半というところだろうか。赤い髪が美しい妖艶な美女が立っていた。
「しかたありませんわ、王妃様は嫁いでいらしたばかり。慣れない環境ですもの。陛下、王妃様を許して差し上げて?」
「だがな、国王を待たせるなんて」
「国王たるもの、心を広く持たねばなりません。そうお教えしましたよね?」
十五の少年と思うと多少可愛く思えるが、国王としてはいかがなものか。これでオリヴィアと同じ年かと思うとため息をつきたくなる。
「お待たせいたして申し訳ございません、陛下」
「まったくだ。お前は、本当にグズなのだな」
頭を下げてそれを聞いたオリヴィアは、顔を上げた時には、表情を完全に消していた。
指定された時間には、まだ十分以上ある。なのに、グズだなんてどういうつもりだ。背後にいる侍女姉妹の雰囲気が変わった。
後ろに手を回し、「控えておきなさい」と合図する。不満そうな気配は伝わってきたけれど、ここで暴れてもどうしようもない。
オリヴィアの耳に、「くすくす」と笑う女性の声が届いた。視線を巡らせれば、二十代前半というところだろうか。赤い髪が美しい妖艶な美女が立っていた。
「しかたありませんわ、王妃様は嫁いでいらしたばかり。慣れない環境ですもの。陛下、王妃様を許して差し上げて?」
「だがな、国王を待たせるなんて」
「国王たるもの、心を広く持たねばなりません。そうお教えしましたよね?」