お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「ですが――ですが」
「お互い、気持ちよくお別れできるようにしましょう。私は、この国を去るわ。ただし、この国がきちんと機能するようになるのを見届けてからね」
この国を離れるのなら、離れても問題ないようにしておかなければ。この国に王妃として嫁いだのだから。
ダンメルス侯爵は、話を終えると出ていく。それを見計らっていたかのように、こつんと窓が鳴った。
窓を開くと、入ってきたのはルークの鳩だった。ひと月に一度の割合で、ルークの鳩はこの部屋を訪れる。
鳩の名がなんなのか、今まで一度も聞いたことはない。ルークの手紙には、一度も返事をできないままだ。
「まあ、あなたはタイミングよく現れるのね。私ね、この国を出ることにしたわ」
「クルルッ」
どうも、この鳩には言葉が通じているのではないかと思う。いつだって、タイミングよく返事をしてくれるのだから。
「どこから始めましょうか?」
「どこからかしらね。まだ決めかねているの」
マリカの問いには、小さな笑みを向けて返す。
これからを考えるのは、自由を取り戻してからだ。
「お互い、気持ちよくお別れできるようにしましょう。私は、この国を去るわ。ただし、この国がきちんと機能するようになるのを見届けてからね」
この国を離れるのなら、離れても問題ないようにしておかなければ。この国に王妃として嫁いだのだから。
ダンメルス侯爵は、話を終えると出ていく。それを見計らっていたかのように、こつんと窓が鳴った。
窓を開くと、入ってきたのはルークの鳩だった。ひと月に一度の割合で、ルークの鳩はこの部屋を訪れる。
鳩の名がなんなのか、今まで一度も聞いたことはない。ルークの手紙には、一度も返事をできないままだ。
「まあ、あなたはタイミングよく現れるのね。私ね、この国を出ることにしたわ」
「クルルッ」
どうも、この鳩には言葉が通じているのではないかと思う。いつだって、タイミングよく返事をしてくれるのだから。
「どこから始めましょうか?」
「どこからかしらね。まだ決めかねているの」
マリカの問いには、小さな笑みを向けて返す。
これからを考えるのは、自由を取り戻してからだ。