お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「三年前、なにがあったのか王妃陛下はご存じですよね?」

 知っていたけれど、返せなかった。

 シェルトが自分の立場をよく心得ているらしいことはわかっていたけれど、母の罪についてまで知っているかどうかはわからなかったから。

「息子には、私の罪についてはすべて話してあります。遠慮なさる必要はありません」

「……あなたは陛下に反旗を翻した。シェルト殿下を王とするために」

「ええ。私は、陛下の資質に疑問を抱いておりました――ですが、私はやり方を誤った。その結果が、現状です」

 先代王妃は、自分の過ちを隠そうとはしなかった。その点でも、オリヴィアに好意を抱かせる。

「そうね。きっと他の選択肢もあったでしょう……いえ、あの方はそれを受け入れないかもしれないわね」

 ここ一年はその努力がおざなりになっていたのは否定しないけれど、オリヴィアだってグレゴールの人となりについてよく調べ、どうにか彼の心を掴むことができないかと努力はしてみたのだ。彼については、そうとう詳しいと自負している。

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