お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
第六章 やられたらやり返す、ただそれだけのこと
シェルトのもとを訪れてから、二年近くが過ぎようとしている。あの頃は幼かったシェルトも、だいぶ成長してきた。

 こっそり家庭教師として通っているダンメルス侯爵も、シェルトに期待を寄せているようだ。この分なら、シェルトが成人する頃には計画を実行に移すことができるだろう。

 ダンメルス侯爵から使いが来て、オリヴィアは受け取った封書を開いた。

 中を見てみれば、魔獣の討伐に行ってほしいという侯爵からの依頼だ。

「このところ、魔獣の数が増えているのではない?」

 あいかわらずオリヴィアは離宮で隔離された生活を送っている。

公式の場に、グレゴールはケイトを伴って出かけることが多くなったから、オリヴィアが呼ばれることはなくなった。だが、オリヴィアにとってもその方が都合がいいのであえて放置しているのが現状だ。

「どうなさいます?」

「行くわよ、もちろん」

 マリカからの問いには迷わず返す。侍女達はあいかわらずオリヴィアの側にいてくれる。身の回りの世話だけではなく、情報収集や護衛も引き受けてくれていて、彼女達がいなくなったらどうしようかと思ってしまうほどだ。

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