お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 エリサと『楽しくお話』をした暗殺者達は、それはもうぺらぺらとしゃべってくれたそうだ。そんなことまで口にしてしまっていいのかというほどに。

 おかげで、証拠集めもはかどったが、シェルトに怪我をさせてはならないと、綱渡りのような精神状態が続いていたのも本当のことである。

「あの方は、見どころがありますね」

 シェルトの側で護衛していたマリカは、すっかりシェルトびいきとなっていた。

 なんでも、シェルトの憧れはルークなのだそうだ。シェルトの前で次から次へと魔獣を退治していた姿に完全に心酔しているらしい。

 それが、マリカとエリサにとってはシェルトを高く評価する理由となっているのだからわからないものだ。

「それに比べて、あのふたりに対する反発はますます大きくなっていますし。予定通り、ですね」

「そうね。ルークやダミオンもいろいろ手を回してくれたし」

 すべて自分ひとりの力だなんて思っていない。たくさんの人の協力があったからここまでくることができたのだ。

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