お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 ルークはなぜか神殿側に顔がきき、ダミオンは商人達の間に情報網を持っている。エリサだけではなく、彼らも情報や証拠を集める上で大きな力になってくれた。

 グレゴールとケイトに対する不満、彼らが民を放置して放蕩にふけっていた証拠も、だいぶ積み上がってきた。

 あとは、これを絶好のタイミングで叩きつけるだけ。

(そのタイミングが問題なのよねぇ……)

 ルークと別れたのは、一週間ほど前のこと。その時、証拠を公表するタイミングについては、ルークに任せるようにと指示された。

 彼の鳩が来るのを待っているけれど、いまだに連絡はない。勝手に動くわけにもいかないから、少しばかり焦ってしまう。

(国に帰って、ルークも忙しいのかもしれないけれど……)

 それにしたって、一言ぐらい連絡をくれてもいいのではないだろうか。

 いや、まだ時期が早いのかもしれない。

 彼が時期を待てというのだから待つべきだと頭ではわかっているのに、ぐるぐると思考を巡らせてしまう。

「そうそう、シェルト様の評判もぐんぐん上昇中ですよ! 母親はアレだけど、息子は国に尽くすいい子だって」

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