お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「ダンメルス侯爵を呼びましょう。どういうつもりなのか、確認しなくてはね」
グレゴールがオリヴィアに会いたがるとは思えないから、きっとダンメルス侯爵が手をまわしたのだろう。理由を聞かなければ。
今日は夏に戻ってしまったのかと思うほど暑かったのだが、こんな時でもきちんとした装いを崩さないダンメルス侯爵は、額に汗をにじませながらやってきた。
「なぜ、私に参加しろというの? ケイトに任せればいいじゃない」
最初のうちは『ケイト様』と敬称をつけて呼んでいたのが、今では完全に呼び捨てである。
本人を前にしたらそれなりに取り繕うつもりはあるけれど、ケイトを尊重する必要性は感じていない。
「さすがに、アードラム帝国の皇太子殿下を迎えるのにそれは厳しいでしょう。いくら聖女扱いとはいえ、彼女は平民です」
「皇太子殿下がいらっしゃるの? 私はお目にかかったことがないけれど……」
グレゴールに嫁いだ時、結婚の祝いに来てくれたアードラム帝国の皇帝とは一度顔を合わせたことがある。
だが、それも五年も前のことだ。
グレゴールがオリヴィアに会いたがるとは思えないから、きっとダンメルス侯爵が手をまわしたのだろう。理由を聞かなければ。
今日は夏に戻ってしまったのかと思うほど暑かったのだが、こんな時でもきちんとした装いを崩さないダンメルス侯爵は、額に汗をにじませながらやってきた。
「なぜ、私に参加しろというの? ケイトに任せればいいじゃない」
最初のうちは『ケイト様』と敬称をつけて呼んでいたのが、今では完全に呼び捨てである。
本人を前にしたらそれなりに取り繕うつもりはあるけれど、ケイトを尊重する必要性は感じていない。
「さすがに、アードラム帝国の皇太子殿下を迎えるのにそれは厳しいでしょう。いくら聖女扱いとはいえ、彼女は平民です」
「皇太子殿下がいらっしゃるの? 私はお目にかかったことがないけれど……」
グレゴールに嫁いだ時、結婚の祝いに来てくれたアードラム帝国の皇帝とは一度顔を合わせたことがある。
だが、それも五年も前のことだ。