お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「この国には、新しい風が必要です。そして、その風は、オリヴィア様が見つけてくださいました」
彼が視線を向けた先には、シェルトの姿。この場にふさわしく、王族の正装に身を包んだシェルトは、緊張にこわばった顔を見せながらも、静かにそこに立っていた。
シェルトのその表情に、グレゴールは唇を引き結ぶ。離宮に追いやったきり、見向きもしなかった異母弟の成長を、彼はその時目の当たりにしたようでもあった。
「ケイト・ピラール。そなたは、聖女としての地位をはく奪される」
「なんですって?」
ルークの言葉に、ケイトは叫んだ。ケイトほどの回復魔術を使える者はそういない。地位をはく奪されるなんて、考えてもいなかったのだろう。
「そなたの処遇は、神殿に任せることになる。神殿が、どのような判断を下すのか――そこに、我々が関与することはない」
「そんなの嫌よ!」
ケイトは悲鳴を上げたが、ルークの合図で出てきた兵士達が、あっという間に彼女を拘束してしまう。
「お前は、神殿に行くことになる。そこで、お前の力を役立てるがいい」
「私は、神殿に収まるような女じゃないわ!」
彼が視線を向けた先には、シェルトの姿。この場にふさわしく、王族の正装に身を包んだシェルトは、緊張にこわばった顔を見せながらも、静かにそこに立っていた。
シェルトのその表情に、グレゴールは唇を引き結ぶ。離宮に追いやったきり、見向きもしなかった異母弟の成長を、彼はその時目の当たりにしたようでもあった。
「ケイト・ピラール。そなたは、聖女としての地位をはく奪される」
「なんですって?」
ルークの言葉に、ケイトは叫んだ。ケイトほどの回復魔術を使える者はそういない。地位をはく奪されるなんて、考えてもいなかったのだろう。
「そなたの処遇は、神殿に任せることになる。神殿が、どのような判断を下すのか――そこに、我々が関与することはない」
「そんなの嫌よ!」
ケイトは悲鳴を上げたが、ルークの合図で出てきた兵士達が、あっという間に彼女を拘束してしまう。
「お前は、神殿に行くことになる。そこで、お前の力を役立てるがいい」
「私は、神殿に収まるような女じゃないわ!」