お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
ルークがさらに腕をひねったらしく、グレゴールはまた悲鳴を上げた。
たしかに、裏切りと言われれば裏切りだ。グレゴールを愛せないだろうと思いながら嫁いだのが罪と言われればそうかもしれない。
――でも。
「男女の愛にはならなくとも、家族愛なら育てられると思ったわ。それも無理なら、国を治める同志としての信頼関係を育てられれば、とも思った。あなたのところに嫁いだ時は、初恋は封じたつもりだったのよ」
目の前に膝をつき、正面から顔を見合わせてグレゴールに告げる。夫としてのグレゴールを立てていくつもりはあった。国王としての彼を支えるつもりはあった。
「最初に、その決意を踏みにじったのはあなたでしょう? グレゴール・ベリンガー。今のあなたの状況は、あなたの行動の結果でしかないわ」
三年.オリヴィアがグレゴールを完全に見放すまで三年待った。その間、国を顧みることなく遊蕩にふけり、国力を衰退させてしまったのは、グレゴールの責任だ。
「あなたのもとには戻らない。私は、この国で生きていくわ。私の愛する人と共に」
「離せ! この――!」
たしかに、裏切りと言われれば裏切りだ。グレゴールを愛せないだろうと思いながら嫁いだのが罪と言われればそうかもしれない。
――でも。
「男女の愛にはならなくとも、家族愛なら育てられると思ったわ。それも無理なら、国を治める同志としての信頼関係を育てられれば、とも思った。あなたのところに嫁いだ時は、初恋は封じたつもりだったのよ」
目の前に膝をつき、正面から顔を見合わせてグレゴールに告げる。夫としてのグレゴールを立てていくつもりはあった。国王としての彼を支えるつもりはあった。
「最初に、その決意を踏みにじったのはあなたでしょう? グレゴール・ベリンガー。今のあなたの状況は、あなたの行動の結果でしかないわ」
三年.オリヴィアがグレゴールを完全に見放すまで三年待った。その間、国を顧みることなく遊蕩にふけり、国力を衰退させてしまったのは、グレゴールの責任だ。
「あなたのもとには戻らない。私は、この国で生きていくわ。私の愛する人と共に」
「離せ! この――!」