お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 言葉の後半は、聞くに堪えない罵詈雑言になる。一応国王という身分にあったはずなのに、どこで学んできたのかと思うほど下品な言葉だった。

「誰が離すか」

 ルークは、拘束する手にますます力を込めた。強烈な痛みを覚えたのだろう。グレゴールは、オリヴィアをののしるのをやめた。

「この国に入ったという報告を受けた時には、驚いたぞ。まさか、ここに来るとは思ってもいなかったがな」

「どうやってここに来たの?」

 組み伏せられたグレゴールに問いかけてみるが、当然答えはない。むくれた顔になり、それでも目はギラギラとオリヴィアをにらみつけている。

「神官の一部が、協力していたようだ。そっちは、これから探し出す」

「……神殿に多額の寄付していたみたいだから、そのせいかもしれないわね」

 オリヴィアと結婚していた間も、グレゴールは神殿には多額の寄付をしていた。

 聖女と認められたケイトが神殿ではなく、グレゴールの側で生活することを許されたのにも、大いにその寄付金が役立っているのだろう。

「それについては、新しい神官達と話をしていくさ。だいぶ入れ替わったはずなんだがな」

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