お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 オリヴィアとの結婚には、反対する声も大きかったと聞く。けれど、オリヴィアを迎えに来た時には、ルークはそれをすべて封じていた。オリヴィアが想定外に歓迎されたのは、ルークの暗躍があったらしい。

 やっと堂々とルークの隣に立てるようになったのに、婚約期間が一年も必要なのはずいぶん長い。長すぎる。

「俺だって、一年は長いと思うさ。でも、一年じっくりと準備ができると思えば悪くないだろう?」

「言われてみれば、そういう考え方もあるわね」

 最初の結婚は、あまりにも急なものだった。手直しをした母の花嫁衣裳を着る機会には恵まれたけれど、それだって、大急ぎで進められたもの。

 今回の婚約式もそう。準備にかける時間をそれほど多く取ることはできなかった。

「だから、一年ゆっくりと準備を進める機会を与えられたと思えばいい」

「本当に、あなたって――」

 オリヴィアを乗せるのが本当に上手なのだ。多少嫌だと思うことがあっても、ルークが言うのならば簡単に受け入れてしまう。

「さ、行こうか。俺とオリヴィアが最高に幸せだってところを見せてやらないとな」

 ルークがオリヴィアの肩を抱く。

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