お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
できれば、彼の隣にいるのはオリヴィアでありたかった。そんなの、オリヴィアのわがままだ。
いつまで考えたとしても、未練でしかない。初恋は、きっちり封じ込めなければならないのだ。
「忘れ物はないな?」
「全部持ったわ。私の宝物もね」
誕生日毎に両親から贈られた宝石達。先日エーリッヒから贈られた護身用の短剣。アントンからもらった花束は、押し花にして栞に加工してある。
ルークからの贈り物だけは、自室に残してある。それを持っていくのは、夫となる人への裏切りになると思った。
「では、行ってきます――」
オリヴィアが馬車に乗り込むなり、馬車は静かに動き始めた。
オリヴィアがストラナ王国まで連れていくと決めたのは、侍女がふたりだけ。護衛の騎士達でさえも、国境で引き返すこととなる。
「オリヴィア様、私がついております。ええ、殺るべき相手はさっさと殺りますからご安心くださいませ」
「姉さん、私になんでも言ってちょうだい。色仕掛けだろうが拷問だろうがなんでもやるから」
いつまで考えたとしても、未練でしかない。初恋は、きっちり封じ込めなければならないのだ。
「忘れ物はないな?」
「全部持ったわ。私の宝物もね」
誕生日毎に両親から贈られた宝石達。先日エーリッヒから贈られた護身用の短剣。アントンからもらった花束は、押し花にして栞に加工してある。
ルークからの贈り物だけは、自室に残してある。それを持っていくのは、夫となる人への裏切りになると思った。
「では、行ってきます――」
オリヴィアが馬車に乗り込むなり、馬車は静かに動き始めた。
オリヴィアがストラナ王国まで連れていくと決めたのは、侍女がふたりだけ。護衛の騎士達でさえも、国境で引き返すこととなる。
「オリヴィア様、私がついております。ええ、殺るべき相手はさっさと殺りますからご安心くださいませ」
「姉さん、私になんでも言ってちょうだい。色仕掛けだろうが拷問だろうがなんでもやるから」