お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「シェルト殿下は、離宮においでと聞いています。殿下をお救いしようと暗躍している者がいる。そういうことですよね? 彼らにとっては、ウェーゼルク辺境伯家がグレゴール陛下の後ろ盾になるのは好ましくない。したがって、私が暗殺される危険があるかもしれないということでよろしいですか?」
「さようでございます」
「わかりました。マリカ、馬車がいやなら馬をお借りしなさい。予備の馬を連れているはずだから」
「オリヴィア様……!」
マリカもエリサも、武芸はひと通り身に着けている。乗り心地の悪い馬車より、馬の方が気楽だろう。
「いえ、オリヴィア様の側を離れるわけにはまいりません。私も馬車に乗りますとも。エリサ、行くわよ」
「はいっ!」
ぱっと馬車の扉を開いたマリカが馬車の中を、エリサが馬車の外側を改める。馬車の車輪まで点検していた。
ストラナ王国を信じていないと言わんばかりの行動であったけれど、この場にそれをとがめようとする者はいなかった。
「ご迷惑をおかけいたします……」
ダンメルス侯爵は頭を下げるが、乗り換えるのはしかたのないところだ。
「さようでございます」
「わかりました。マリカ、馬車がいやなら馬をお借りしなさい。予備の馬を連れているはずだから」
「オリヴィア様……!」
マリカもエリサも、武芸はひと通り身に着けている。乗り心地の悪い馬車より、馬の方が気楽だろう。
「いえ、オリヴィア様の側を離れるわけにはまいりません。私も馬車に乗りますとも。エリサ、行くわよ」
「はいっ!」
ぱっと馬車の扉を開いたマリカが馬車の中を、エリサが馬車の外側を改める。馬車の車輪まで点検していた。
ストラナ王国を信じていないと言わんばかりの行動であったけれど、この場にそれをとがめようとする者はいなかった。
「ご迷惑をおかけいたします……」
ダンメルス侯爵は頭を下げるが、乗り換えるのはしかたのないところだ。