お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
「その点は、あなたに言われるまでもないわ。陛下と、よくお話をしたから。朝食もまだなの。用意してもらえるかしら?」
侍女長に命令すれば、妙な笑みを浮かべながら下がっていく。
「なんなんですか、あの女は」
「今すぐ殺るべき」
「ふたりとも落ち着いて。いちいちこんなことでかっかとしていては、足をすくわれるわよ。まずは、誰が味方になりそうで、誰が敵になりそうなのかを見極めなくてはね」
グレゴールをなんとかオリヴィア寄りにしたいのだが、難しいだろう。慎重に計画を立てなくては。
やがて運ばれてきた朝食を見て、またもや侍女ふたりは眉を吊り上げた。
「おかしいでしょう、これは。王妃に出すような食事じゃありませんよ」
「マリカ、落ち着きなさい。腐っているわけではないのだから」
「ですが、このしなびた葉っぱ。どう考えても、本来なら下働きの者の賄い行きですよ」
「エリサも文句は言わないの――とりあえず、食事はすませるわよ」
運ばれてきたのは、パンとスープだ。硬くなったぱさぱさのパンに、色が悪くなっていたり、しなびてくたくたになったりした野菜が使われたスープ。
侍女長に命令すれば、妙な笑みを浮かべながら下がっていく。
「なんなんですか、あの女は」
「今すぐ殺るべき」
「ふたりとも落ち着いて。いちいちこんなことでかっかとしていては、足をすくわれるわよ。まずは、誰が味方になりそうで、誰が敵になりそうなのかを見極めなくてはね」
グレゴールをなんとかオリヴィア寄りにしたいのだが、難しいだろう。慎重に計画を立てなくては。
やがて運ばれてきた朝食を見て、またもや侍女ふたりは眉を吊り上げた。
「おかしいでしょう、これは。王妃に出すような食事じゃありませんよ」
「マリカ、落ち着きなさい。腐っているわけではないのだから」
「ですが、このしなびた葉っぱ。どう考えても、本来なら下働きの者の賄い行きですよ」
「エリサも文句は言わないの――とりあえず、食事はすませるわよ」
運ばれてきたのは、パンとスープだ。硬くなったぱさぱさのパンに、色が悪くなっていたり、しなびてくたくたになったりした野菜が使われたスープ。