お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
(ここでの私の立場が確定するまでは、おとなしくしておいた方がいいでしょうしね)

 オリヴィアは薄いスープを口に運びながら考え込む。どうやったら、グレゴールと距離を縮めることができるだろう。

 

 オリヴィアの予想通り、昼に運ばれてきたのも夜に運ばれてきたのも、同じような食事だった。はっきり言って、食欲の出る代物ではない。エリサに買いに行ってもらったものでなんとかしのいだ。

 そして、嫁いだばかりだというのに、王妃の離宮を訪れる者はなかった。

 家事をする下働きの者すらいないので、離宮は静まり返っている。

「あんなにたくさんいた侍女達は、どこに行ってしまったのかしら」

「離宮付きだと思っていたのですけれどね」

 必要最低限の手入れしかされていない離宮の掃除をしながら、オリヴィアはため息をつく。

 もし、侍女長が、オリヴィアに嫌がらせをしようとしているのであれば無駄だ。

 オリヴィアは、自分の身の回りのことは自分でできるし、侍女達と一緒になって家事をするのも苦ではないのだ。

 それが王妃の仕事かと問われると困ってしまうのだが、今のところ不自由はしていない。

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