お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
 マリカに問われたオリヴィアは、顎に指をあてがった。

当面の間は、こうやって屋台で食事をすませてもいい。

 離宮には調理場があったし、そこで使う燃料は、侍女達が入手してくれるだろう。

 ――けれど。

 食事だけ自分達でどうにかしたところで、根本的な解決にはならないのだ。

「エリサ、出番よ。あなたにお願いしたいことがあるの」

「お任せください、オリヴィア様っ!」

 今のいままで出番を待っていたらしいエリサは満面の笑みを浮かべた。

「マリカ、あなたにも頼みたいことがあるわ。家に戻ったら、きちんと話をしましょう」

 どこで誰が聞いているかわからない。離宮ではなく家と言っておく。

(……見て回った感じ、町には大きな問題はないのよね)

 もしかすると、もっと城から離れればいろいろな問題が見えてくるのかもしれない。もっと動き回った方がいいと思うけれど、そのためにはまず、オリヴィアの駒となる人間が必要だ。



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