お飾り王妃は華麗に退場いたします~クズな夫は捨てて自由になっても構いませんよね?~【極上の大逆転シリーズ】
オリヴィアが取り上げたのは、立派なルビーである。大粒のそれは、金の台座にはめ込まれたらさぞや見事に輝くだろうと見る者に思わせた。
「ど、どうしてそれがわかるのです……どこにでもある品ではありませんか」
「馬鹿ね。これは、私が自分で選んだものなの。私の目の色に合わせてね。自分で選んだ宝石がわからないような節穴ではないわよ、私の目は」
オリヴィアが言い放つと、侍女長は黙った。だが、まだ負けてはいないようだ。
こちらを睨みつける目には、反発心がまだ残っている。扇で背後に合図すると、次の品が取り出された。
「それと、こちらもですね」
重い音を立てて、テーブルに革袋が置かれる。
テーブルに置かれた革袋から、じゃらりと転がり出てきたのは大金貨である。この金貨一枚で、庶民の家なら一家四人一年暮らせるほどの価値がある。
「あら、まあ……ずいぶんな大金だこと」
「わ、私がお給料をためたものですっ!」
金額の多さをあざ笑ってやれば、侍女長は顔を引きつらせた。たしかに侍女長と呼ばれる身分であれば、それなりの給料は与えられているだろう――けれど。
「ど、どうしてそれがわかるのです……どこにでもある品ではありませんか」
「馬鹿ね。これは、私が自分で選んだものなの。私の目の色に合わせてね。自分で選んだ宝石がわからないような節穴ではないわよ、私の目は」
オリヴィアが言い放つと、侍女長は黙った。だが、まだ負けてはいないようだ。
こちらを睨みつける目には、反発心がまだ残っている。扇で背後に合図すると、次の品が取り出された。
「それと、こちらもですね」
重い音を立てて、テーブルに革袋が置かれる。
テーブルに置かれた革袋から、じゃらりと転がり出てきたのは大金貨である。この金貨一枚で、庶民の家なら一家四人一年暮らせるほどの価値がある。
「あら、まあ……ずいぶんな大金だこと」
「わ、私がお給料をためたものですっ!」
金額の多さをあざ笑ってやれば、侍女長は顔を引きつらせた。たしかに侍女長と呼ばれる身分であれば、それなりの給料は与えられているだろう――けれど。