キミと真面目にファーストキス
んん、コホンッ!
……花火大会が終わったあと、『時間が遅いしお互いの家も近いから』って、壱樹が送ってくれることになったんです。
途中、公園を通り抜けたんですが、『覚えてる?』ってやや低めの声で囁かれて……
ち、ちょっとふたりとも騒ぎ過ぎですよっ。
『えっ、覚えてるって何を?』って、まあ、そこは何だっていいじゃないですか!
それと、ここからは割愛させてください。ふたりだけの想い出にしたいっていうか……
腕? 腕がどうかしました? ああ、それは適当に……
やっ、違いますって! とぼけてるわけじゃないんです。
確かに腕を気にしてたのは私ですけど、腕なんて重要じゃなくて……
あのときは勉強会の内容なんて、完全に飛んじゃってました。そんな余裕なかったです。
『失敗か成功かだけでも教えて』ですか?
どういうファーストキスが成功なのかはわかりませんが、とりあえず失敗ではないです。