聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜


 * * * 


 三人の男は三千花たちが消えた後、意識を取り戻した。

「クソッ! あの野郎!」
 男が口汚く罵る。

「とにかく一旦戻ろう」
 一人が言い、懐から一枚の紙を取り出す。魔法陣が書かれている。

 それを地面に置いて何事かを唱える。
 が、何も起きない。

「発動しない!?」
「どういうことだ!?」
「間違っているのか!?」
 男たちに動揺が広がる。

「それ、使えないよ。偽物だから」
 新たな男が現れ、彼らに言う。

「誰だ!」
「知る必要はないよ」
 男が手を振り上げると、彼らの首が飛んだ。血しぶきが舞った。

「あれ、よく考えるといちいち始末する必要なかったかな。まあいっか」

 月が雲の間から姿を現し、男を照らした。
 青い目がキラリと光った。


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