聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「すまないが、こんな時間でも仕事がある。君を襲った者について報告をしなくてはならない。――君自身のことも」
 彼は名残惜しそうに言った。
 何がなんだかさっぱりわからない。

「ああ、もし動物が来ても中に入れるなよ。特に猫」
 彼女はそれがどうしてなのか聞き返す気力がなかった。

「では、また明日」
 彼女の耳元に優しく囁やき、王子様は部屋を出ていった。

 取り残された三千花と女性。
 キスを見られた。というか、どうして助けてくれないんだろう。

「あの……」
 女性に話しかけたら、
「では私もこれで失礼します」
 と、寝室から出て行ってしまった。

「え?」
 どういう扱いなのか、さっぱりわからなかった。





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