聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
「気がついたら指にはまってたの」
「ちょっと見せてもらえますか?」
優梨に言われ、左手を見せる。
「はずれないんです、なぜか」
「少し失礼します」
優梨は指輪をはずそうと試みるが、やはりはずれなかった。
「指輪の写真、よろしいですか」
蓮月がスマホを取り出す。
拒否する理由もないため、三千花は手を差し出した。
彼は二、三枚の写真をとり、礼を言ってスマホをしまった。
「また何かあれば話を聞かせてください」
刑事はそう締めくくった。
二人が帰ろうとドアを開けたとき。
一人の青年がそこに立っていた。
刑事たちは予想外の人物に一瞬たじろぐ。
黒髪の美青年。青のような緑のような色の瞳。
三千花はその人物を見て息をのんだ。
「なんでここに……!」
直後に思い出す。指輪を持っていると居場所がわかる、と言っていたのを。
「無事で良かった」
彼は刑事たちを押しのけ、三千花を抱きしめる。
「心配した」
アルウィードの力強い抱擁に三千花は動けない。
「く、くるし……」
「あの、どちら様で……」
三千花の母がおろおろと聞いた。
「ご母堂か。三千花を俺の花嫁として頂いていく。ご挨拶はまた改める」
「は?」
三千花の母が驚く。
「こ、こいつです、こいつが……」
三千花はかろうじてそれだけを言えた。
次の瞬間、光が三千花とアルウィードを包む。
「何する気だ!」
アルウィードに蓮月がとびかかる。
「なんだお前!」
アルウィードは驚愕した。彼の眼中には三千花しか入っていなかった。
光が最高潮に達した瞬間、三人はこの世界から消えた。
「えっ、何?」
残された優梨は目を瞬かせる。
「消えた……?」
三千花の母は呆然と先程まで娘がいた空間を見つめた。
二人は顔を見合わせる。
何が起きたのか、さっぱりわからなかった。
「ちょっと見せてもらえますか?」
優梨に言われ、左手を見せる。
「はずれないんです、なぜか」
「少し失礼します」
優梨は指輪をはずそうと試みるが、やはりはずれなかった。
「指輪の写真、よろしいですか」
蓮月がスマホを取り出す。
拒否する理由もないため、三千花は手を差し出した。
彼は二、三枚の写真をとり、礼を言ってスマホをしまった。
「また何かあれば話を聞かせてください」
刑事はそう締めくくった。
二人が帰ろうとドアを開けたとき。
一人の青年がそこに立っていた。
刑事たちは予想外の人物に一瞬たじろぐ。
黒髪の美青年。青のような緑のような色の瞳。
三千花はその人物を見て息をのんだ。
「なんでここに……!」
直後に思い出す。指輪を持っていると居場所がわかる、と言っていたのを。
「無事で良かった」
彼は刑事たちを押しのけ、三千花を抱きしめる。
「心配した」
アルウィードの力強い抱擁に三千花は動けない。
「く、くるし……」
「あの、どちら様で……」
三千花の母がおろおろと聞いた。
「ご母堂か。三千花を俺の花嫁として頂いていく。ご挨拶はまた改める」
「は?」
三千花の母が驚く。
「こ、こいつです、こいつが……」
三千花はかろうじてそれだけを言えた。
次の瞬間、光が三千花とアルウィードを包む。
「何する気だ!」
アルウィードに蓮月がとびかかる。
「なんだお前!」
アルウィードは驚愕した。彼の眼中には三千花しか入っていなかった。
光が最高潮に達した瞬間、三人はこの世界から消えた。
「えっ、何?」
残された優梨は目を瞬かせる。
「消えた……?」
三千花の母は呆然と先程まで娘がいた空間を見つめた。
二人は顔を見合わせる。
何が起きたのか、さっぱりわからなかった。