聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
あんなイケメンも近隣にはいなかった。
黒髪だが、目は青のような緑のような不思議な色合いだった。
どこかで見たような、と少し気になる。
たまたま立ち寄った宝飾店で見たパライバトルマリンがあんな色だったな、と思い出す。が、本当にそれだけだろうか。
あ、このペンダントの色か。
三千花は胸元のペンダントを手に取る。
幼い頃にもらったものだが、いつ誰からもらったのか判然としない。見るたびに懐かしく切ない気持ちになる。
そんなことより。どうしよう。
二階から抜け出せる気はしないし、外には獰猛な犬がいるらしい。出入口も見張られている。真っ暗な中を逃げ出すのは得策とは思えなかった。
旅行で来たら最高の思い出になりそうなのに。
開けっ放しの窓からは気持ちの良い夜風がはいってくる。
気配を感じて振り返ると、幅広い窓枠に黒猫がいた。
「猫ちゃん!」
一瞬喜ぶが、先ほど王子様が「動物を入れるな」と言っていたことを思い出す。
猫はお構いなしに入ってきた。
獰猛な犬のように、この猫も凶暴なのか。
警戒していると、猫はニャーンと可愛く鳴いて近寄ってきた。
黒髪だが、目は青のような緑のような不思議な色合いだった。
どこかで見たような、と少し気になる。
たまたま立ち寄った宝飾店で見たパライバトルマリンがあんな色だったな、と思い出す。が、本当にそれだけだろうか。
あ、このペンダントの色か。
三千花は胸元のペンダントを手に取る。
幼い頃にもらったものだが、いつ誰からもらったのか判然としない。見るたびに懐かしく切ない気持ちになる。
そんなことより。どうしよう。
二階から抜け出せる気はしないし、外には獰猛な犬がいるらしい。出入口も見張られている。真っ暗な中を逃げ出すのは得策とは思えなかった。
旅行で来たら最高の思い出になりそうなのに。
開けっ放しの窓からは気持ちの良い夜風がはいってくる。
気配を感じて振り返ると、幅広い窓枠に黒猫がいた。
「猫ちゃん!」
一瞬喜ぶが、先ほど王子様が「動物を入れるな」と言っていたことを思い出す。
猫はお構いなしに入ってきた。
獰猛な犬のように、この猫も凶暴なのか。
警戒していると、猫はニャーンと可愛く鳴いて近寄ってきた。