聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜
博物館は跡形もなく崩れていた。
もう生存者はいないのでは。
爆発の原因もわからない。
うかつに近づけない。
だが、指揮官として、責任者として、絶望したり迷ったりする姿を見せるわけにはいかない。
「こちらにも人手を」
そのときだった。
瓦礫の一部が内部から垂直に吹き飛んだ。
二次爆発か!
部下を退避させなくては!
ダウナルドは、だが、その吹き飛んだ箇所を見て、ハッとした。
「本当に……」
彼は自分の目を疑った。
「ご無事で……」
彼は安堵のあまり膝をついた。
ダウナルドの周囲がざわつく。
「殿下」
「殿下だ」
「ご無事で」
言い合う兵士の一人が空を見て声を上げる。
「流れ星だ」
つられて空を見た兵士たちが口々に叫ぶ。
「流星群だ!」
「聖母の徴だ!」
「聖母の出現だ!」
兵士たちが歓声を上げる。
抱き合って喜ぶものたちもいる。
彼らはみな、一点に注目していた。
瓦礫の山の上、満天の星と流星群を背に。
アルウィードと三千花が、寄り添い合って凛と立っていた。
* 第六章 終 *
もう生存者はいないのでは。
爆発の原因もわからない。
うかつに近づけない。
だが、指揮官として、責任者として、絶望したり迷ったりする姿を見せるわけにはいかない。
「こちらにも人手を」
そのときだった。
瓦礫の一部が内部から垂直に吹き飛んだ。
二次爆発か!
部下を退避させなくては!
ダウナルドは、だが、その吹き飛んだ箇所を見て、ハッとした。
「本当に……」
彼は自分の目を疑った。
「ご無事で……」
彼は安堵のあまり膝をついた。
ダウナルドの周囲がざわつく。
「殿下」
「殿下だ」
「ご無事で」
言い合う兵士の一人が空を見て声を上げる。
「流れ星だ」
つられて空を見た兵士たちが口々に叫ぶ。
「流星群だ!」
「聖母の徴だ!」
「聖母の出現だ!」
兵士たちが歓声を上げる。
抱き合って喜ぶものたちもいる。
彼らはみな、一点に注目していた。
瓦礫の山の上、満天の星と流星群を背に。
アルウィードと三千花が、寄り添い合って凛と立っていた。
* 第六章 終 *