聖母召喚 〜王子に俺と結婚して聖母になれと烈愛されてますが、隙を見て逃げます〜

 * * *

 その日、三千花は侍女エミュリーから朗報を聞いた。
「異世界からほかの聖母候補が召喚されたそうですよ」

「そうなの!?」
「お払い箱なんじゃないの」
 ぼそっとエミュリーは付け加える。

 そんなこと気にならないくらい、三千花はテンションが上がった。
「これで帰れる!」
 やっぱり自分が聖母だなんて間違いだったんだ、良かった!

「ありがとう!」
 エミュリーにお礼を言うと、エミュリーは苦虫を噛み潰したような顔をした。

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