キミ×ココロ
■別れ
「別れよう…」
ある日突然言われた言葉。
とても理解するには時間がかかったように思えた。
私と和之が付き合ったのはほんの2ヶ月かそんくらい前。
きっかけは友達のお兄さんの友達。
結構複雑なんだけど図にしてみれば簡単。
あたしは一目惚れだった。
顔はカッコいいし背も丁度いいくらい。なんたって容姿がいいんだから一目惚れしない方がおかしいとか思ってた。
それから何日かで付き合うことになって今…―
え?なんでそうなるの?と思いつつ冷静を装いながら聞く。
「どうして?」
「もう奈菜が信じらんない…ごめん」
「そっ、か…」
フラれちゃった…
いつもならこんな事言われても平気だった。
でもこの時だけは…
なぜか涙が出てた。
「ねえ…。待ってよ…お願いだから別れたくないのッ」
「もう無理…。あんな事聞いて心配になって不安にならない奴いるかよ」
あんな事…
あ、あれか…
私は前に浮気をしていたことがあった。しかも2回ぐらい。
浮気は一回すれば癖になるのか直らないらしい。
だから和之は…
「ごめん。でも和之だけなんだよ!?なのに何でッ…っ…」
もう…終わったも同然だった。