龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?
「それは、素敵な考えですね」
ヴァイスさんは椅子に座るあたしの後ろから肩越しに腕を回し、抱きしめてくる。耳の後ろに顔が近づいて、囁くように呟いた。
「……できれば、その夢の仲間に私とシルヴィアも入れていただきたいのですが」
微かにかかる吐息がこそばゆく、熱くて。顔に熱が集まってくる。
背中越しに感じるヴァイスさんのぬくもりも、熱い。
「……ヴァイスさんさえ、良ければ」
「それは光栄ですね。ありがとうございます」
そう言ってあたしの肩に顔を埋めるのは、やめて欲しい。吐息がくすぐったいし……あ!うなじ……うなじにキスされた!
「……ヴァイスさん!」
あたしがいい加減にしてほしくて咎める声を上げたのに、彼はシレッとした声で「なんですか?」と訊き返してくる。
「うなじ……やめてください。くすぐったいし…ひゃっ!」
え、い……いま、みみ……舐められた!?
「かわいい声ですね、アリシア……このままいただきたいのですが……残念、仕事の時間です」
なにをされたのかわからないけど、絶対、ヴァイスさんは楽しんでる!!
あたしは涙目で睨みつけるのが精一杯だったのに、彼は嬉しそうに笑ってた。
(うう……絶対仕返ししてやる!)