龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?
飛行訓練
「バーミリオン、あんた…また大きくなってない?」
《ん?そっかあ?自分じゃあんまわかんねえけどな》
今日も授業前に訓練しようと竜笛でバーミリオンを呼んでみたら、彼は明らかに昨日よりひと回り成長してる。
王都に来る前は体高があたしと変わらないくらいだったのに、今やヴァイスさんの背より高くなっている。
……ということは、身体が大きくなっているということ。
(うーん…成長期なのかな?でも、ファイアドラゴンの成育はバーミリオンが初めてだからわかんないな……)
通常、ドラゴンの成長はゆっくりだ。
長寿の種だと千年単位で最大で30m程度まで成長する。
あたしが直に知る一番の長寿ドラゴンはおばあさまの騎竜であるセシリアで、2000年を生きる古代竜。
やっぱり途轍もなく大きくて、25mほどの巨体を
誇る。
バーミリオンはまだ10年しか生きてないから、ドラゴンとしては幼少期だ。そのはず……なんだけど?
《けどよ、なんだか最近身体があっちいんだわ》
「身体が熱い…?」
バーミリオンが気になることを言ってきた。
「身体が熱いって…どんなふうに?」
《んーブレスを吐くときの口の中の熱が体の中でずっとある感じだな。中からの火がジリジリ身体を炙ってる》
体の中をジリジリ……か。
そういえば、おばあさまが素っ裸でいるのも身体が熱いから……って言ってたっけ?
確か、大きな魔力のせいでそうなるって。