龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?
「最近、この子は栄養の過剰摂取をしてないかね?」
バルド卿の言葉を聴いて、しばらく考えてからあっ!と思い出した。
「……ウゴルをたくさんあげてました。竜騎士団で混入事件があった時、処分するために」
「ウゴルを?どれくらいの頻度で」
「毎日です。確か、50個くらいはあったかと」
「なるほど……それだな」
さすがバルド卿。すぐにバーミリオンの異変の原因を特定したようだ。
「君も知っているとおりに、ウゴルは栄養豊富で滋養に優れるが、連用して摂取すると大抵のドラゴンには毒となる。ただ、唯一の例外がファイアドラゴン。なぜかと言えば、ウゴルの有毒成分を身体の中で無効化し、さらにそれを身体の構成物質に変えることが出来るのだ」
「えっ、そうだったんですか!?」
目からウロコの新事実。ファイアドラゴンにウゴルの毒は無効だとは知っていたけど、まさか身体を強化する効果まであったなんて。
「じゃあ、バーミリオンがムキムキかつ成長してるのは、若いドラゴンだからですか?」
あたしの疑問を、バルド卿はすぐ肯定してくださった。
「そうだね。まだ成長盛りの幼竜だからこその現象だろう。まだまだ成長は続いてる……もしかしたら、このペースで行けばファイアドレイクに進化するやもしれないな」