龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?
あたしはバーミリオンの首に抱きつき、謝った。
「バーミリオン…ごめん、ごめんね。あんたのこと、ちゃんと考えてなかった」
《仕方ねえよ。オレ様はガキだったからなー》
こんな時でもおちゃらけた対応をしてくるバーミリオン。それが強がりで、彼なりの気の使い方だとあたしは知ってる。
「うん……でも、あたしは決めたよ。バーミリオン、あんたを騎竜にする」
《…!!》
さすがにバーミリオンも驚いたのか、黄金色の目を見開いていた。
《……いいのかよ、アリシア。オレ様は古代竜でもバハムートでもないぜ?》
やっぱりバーミリオンはあの時の会話を気にしてたんだ。何気なく放ったひと言なのに、彼はずっと引きずっていたんだな…と申し訳なくなる。
「うん、大丈夫。あたしはむしろあんたがいい!ファイアドレイクなんて、レアじゃん!めちゃくちゃかっこいいと思うよ」
ヨイショを始めると、バーミリオンはたちまち機嫌がなおった。
《そ、そうか…?》
「そうだよ。4本角なんて強そうだし、めちゃくちゃテンション上がるじゃん!」
《……だよな!》
お、さらにノッてきた。このまま追加で…。
「バーミリオンかっこいい!よ、ドラゴンの大将!男前!!飛ぶ姿は世界一!!!」
《まーそれほどでもあるぜ〜》
フッ、と角を爪で弾く。ドラゴンなりのカッコつけらしい…。
「よ!モテモテの罪男。雌のドラゴンみんなが夢中だよ〜」
《よせやい。当たり前だが、照れるぜ…》
こうして、バーミリオンと仲直り(?)できた。