龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?

メローネさんが騎竜たちのウゴル混入事件を引き起したのは、竜騎士団の戦力低下を引き起こすため。
ひいては、バイキングがノプットに侵入し襲撃しやすくするためだった。

彼女は、特に首領に入れ込んでいたらしい。
キルシェちゃんを古城に預けて会いに行っていたのは、バイキングの首領や重要メンバーだった。

その理由が…愛されたいため?

あまりに幼稚で身勝手で…悲しすぎるほど自分本位な理由だった。

「なんてことを……おかげで、竜騎士団は戦力低下し、お父様は一時意識不明の重体となるほどの大怪我を負われたのですよ!そのようにくだらない理由で……バイキングとの戦いで、亡くなられた方もいらっしゃるのです!」

リリアナさんもさすがに黙っていられなかったらしく、メローネさんに詰め寄った。

「あなたは、王太子妃に相応しくなどありません!少なくともわたくしは認めませんわ!!」

リリアナさんが目に涙を浮かべてそう断言すると、王太子殿下は彼女に頭を下げる。

「あなたの言うとおりだ……メローネは最初から王太子妃には相応しくなかった……そして、ぼくもだ」
「殿下!そんな……あなた様が頭を下げる必要などございませんわ」

リリアナさんは王太子殿下が頭を下げてまで謝罪してきた事で焦っていたけど。王太子殿下は逆に落ち着いてらした。

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