キミとの距離が、縮まらない。
第1話 正反対の2人
カツカツカツ…
黒板にチョークで、イッシーこと、担任の石橋先生が文字を書き込んでいる音が響く。
クラスの皆、黙ってその様子を見つめてる。
そして、書き終えた石橋先生は、くるりと振り返って、私達に呼びかけた。
「さて、再来月には文化祭がある。まずは企画委員を男女一人ずつ決めるぞ。誰かなりたいってやつはいないか?」
「イッシー、文化祭の企画委員って何するんですか?」
「まあ、全体の取りまとめだな。クラスの話し合いの進行をしたり、他クラスと会議する時に出席したり、あとは予算管理くらいか。」
「よさんかんり…」
シン…と静まり返る生徒達。
「おいおい、話が進まんぞー。立候補がいなければ、推薦はないか?」
当たるな、私に。当た…
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