キミとの距離が、縮まらない。
「なんか、意外。」
文字が消されて綺麗になった予算管理表を見つめながら私がポツリと呟くと、長谷川くんが「何が?」と尋ねる。
「長谷川くんって、気さくで人気者だし、欠点がない人だって思ってたから。」
そう言うと長谷川くんは、あははっと笑って私を見た。
「欠点ないワケないじゃん。欠点だらけだよ?」
「でも、字を書くの苦手ってことくらいでしょ?」
「いやいや、色々あるよー?理数科目苦手とか、ピーマン苦手、とか。」
――ピーマン苦手!?な、なんか…可愛い。
「黒田さんこそ、俺から見たら、十分欠点ない人って感じだけど。」
「えっ、私!?」
「うん。黒田さんって、いつも学年で上位の成績だし、落ち着いてるし、頼まれたことを責任持ってやり遂げるし、すごいなって思ってる。」
――嬉しい。そんな風に思ってもらえてたっていうだけで。
でも…