キミとの距離が、縮まらない。
キラキラと眩しい笑顔。長谷川くんがくれる言葉に、嘘はないように思えた。
そして長谷川くんは、言葉を続ける。
「実は、企画委員決める時も、黒田さんとなら上手くやれそうって思って立候補したんだ。俺のカン、当たったみたい。だから…」
そこまで言うと、すっと私の前に手を差し出した。
「改めてよろしく!お互い、得意なことをやってフォローし合えれば、文化祭も絶対上手く行くはずだからさ。一緒に頑張ろーな!」
「…うん!よろしく。」
私は差し出されたその手を握った。
骨ばった大きな手。
私の手を包み込んでくれた長谷川くんの手は、とても温かかった。