キミとの距離が、縮まらない。
第2話 共通点
金曜日の放課後。
私達はさっそく、学校の近くにあるホームセンターに向った。
歩いていけるかな?って話して、歩き始めたけど…
「……あっちぃ。」
「…だね。」
そう言いながら、長谷川くんはカバンからノートを出して、団扇代わりにして扇ぎだした。
しばらく歩いてみたけど、思った以上に距離があった。ホームセンターの看板すら、まだ見えない。
9月中旬とは言え、まだまだ残暑が厳しく、夕方なのに、アスファルトからの熱で、なかなかの暑さだった。
ハンカチを取り出して私が汗を拭っていると、横からふんわりと風が吹いてくる。
見ると、長谷川くんが、ノートで私を扇いでくれているところだった。
「こんなんなら、自転車でくればよかったなー。ごめんな、俺の気が利いてなくて。自転車だったらこんなに暑くなること、なかったのに。」
「でも私、自転車通学じゃないから…」
「知ってるよ。俺の自転車の後ろに乗せて来たかったなって話。」
「え!?そんな…乗せてもらうとか、申し訳無さすぎるので…」
「いや、こんな暑い思いさせる方が申し訳なくってさ。…あ。」
そう言って、長谷川くんは足を止めた。