キミとの距離が、縮まらない。

長谷川くんの視線の先を追うと、涼し気な水色と黄色の旗に『ラムネあります』『ひんやりレモネード』と書かれていた。


――今飲んだら最高に美味しいやつ…。


そう思いながら風に吹かれて揺れている2つの旗をぼんやりと見ていると、長谷川くんが私の肩にポンッと手を置いた。


「寄っていこ!奢るし。」


「え!いいよ、そんな…」


「あ、もしかして炭酸苦手?」


「いや、好きだけど、でも…」


「じゃあいいじゃん!うまそー!俺が飲みたいからちょっと付き合ってよ。」


そう言うと、長谷川くんは満面の笑顔で歯を見せて笑った。


途端に脈拍が上がり、心臓がドキドキと脈打つ。


――急にあんな風に笑われたら、心臓が保たないよ…!長谷川くん、こんな暑い時でも、めちゃくちゃ爽やかに笑えるんだな…。


またもや、私は長谷川くんの尊敬ポイントを見つけてしまった。

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