キミとの距離が、縮まらない。
それぞれの飲み物を持って、カウンターの席に座る。
「あっという間に飲んじゃうかもなー。…あ。」
ラムネを飲もうとした長谷川くんの手が、ふと止まった。
「飲む?」
そう言って、長谷川くんがラムネの瓶を差し出してきた。
私は、慌てて手をぶんぶん振りながら「大丈夫です!」と言った。
長谷川くんは「口つけてないからいいのにー」と言って、ぐいっとラムネを飲む。
そんな長谷川くんの隣で、私はバックバク動いている心臓のせいか、軽い目眩を覚えながらレモネードを飲んだ。
――いや、口つけてないにしても、私が飲んだら長谷川くんがその後飲むんだよね!?
想像しただけでクラクラする。
レモネードを飲み終わる頃にはなんとか気持ちも落ち着き、お店を出る頃には暑さもだいぶ落ち着いていた。