キミとの距離が、縮まらない。

それぞれの飲み物を持って、カウンターの席に座る。


「あっという間に飲んじゃうかもなー。…あ。」


ラムネを飲もうとした長谷川くんの手が、ふと止まった。


「飲む?」


そう言って、長谷川くんがラムネの瓶を差し出してきた。


私は、慌てて手をぶんぶん振りながら「大丈夫です!」と言った。


長谷川くんは「口つけてないからいいのにー」と言って、ぐいっとラムネを飲む。


そんな長谷川くんの隣で、私はバックバク動いている心臓のせいか、軽い目眩を覚えながらレモネードを飲んだ。


――いや、口つけてないにしても、私が飲んだら長谷川くんがその後飲むんだよね!?


想像しただけでクラクラする。


レモネードを飲み終わる頃にはなんとか気持ちも落ち着き、お店を出る頃には暑さもだいぶ落ち着いていた。

< 17 / 63 >

この作品をシェア

pagetop