キミとの距離が、縮まらない。

「黒田さん、電車通学だよね?家どのあたり?」


「西区だよ。長谷川君は?」


「俺、東区。すげー。俺たちってトコトン正反対だな。」


「そうだね。」


「じゃあさ、他にどんなところが反対なのか、一緒に探してみない?」


「例えば?」


「んー、家族構成とか。俺3人兄弟の一番下なんだけど、黒田さんは?」


「弟と私の2人兄弟。」


「俺が三男で、黒田さんは長女かー。これも反対だな。確かに、黒田さんしっかりしてるから長女っぽいなー。」


「そうかな…。」


「あ、そうだ。よく見る映画とかある?」


「映画は、最近だとスパイダーウーマンを観たよ。」


「俺も観た!面白かったよな~特に主人公がさ…」


映画、音楽、よく見るテレビ…。
色々挙げてくれたけど、その点に関しては意外と好みは一緒だった。


――嬉しい。正反対だと思ってた長谷川くんとの共通点が見つかって。


長谷川くんも「なんだ!意外と共通点あるじゃん」と言って、満面の笑顔で歯を見せながら笑ってくれた。


今度、おすすめの曲のリストも作ってくれるらしい。


最初は緊張したけど、だんだんと長谷川くんと話すのが楽しくなってきている自分が居た。

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